動物の管理

 動物の管理方法については、以下をご参照ください。

 実験動物が感染症にかかること無く正しい実験データを速やかに得られるよう、施設スタッフにより管理されています。


飼育エリアの区分け

 施設内を以下のように区分けしています。エリアごとに病原微生物の隔離レベルが異なります。
 右のエリアのほうが隔離レベルが高く、利用には厳格な操作が要求されます。

 
コンベンショナルエリア < SPFエリア < 感染実験エリア < アイソレータ室


 詳細については。こちらをご参照ください。



飼育管理

 各エリアで飼育されている動物は、動物施設のスタッフにより給餌・給水・ケージ交換・消毒液による飼育室内清拭が行われています。
 各エリアに共通する管理手順の原則は、以下の通りです。


  1. 動物施設で準備しているものを使用。動物施設スタッフが毎週実施するケージ交換の時に補充。

  2. UV処理されたもの(自動給水の場合)を使用。
  3. ケージ交換
    滅菌された床敷とケージを使用して毎週ケージ交換している(マウス・ラットの場合)。
    同時に、動物の健康状態を観察し重篤な感染症への罹患の兆候がないか観察している。
  4. 清拭
    消毒液による飼育室内清拭が、ケージ交換と同時に毎週行われている。
    動物施設内の廊下も、定期的に清掃されている。
  5. 環境
    施設設備により実現されている環境(温度・湿度など)については、こちらををご参照ください、
  6. 飼育経費の積算
    施設スタッフによるケージ交換等の動物飼育の支援(飼育管理作業)への対価を積算するため、研究者が利用しているケージの数を毎日記録している。

 飼育形態の変更、特殊な給餌方法などについてのご相談は、以下のメールアドレス又は施設スタッフまでご相談ください。
 cardadmikumamoto-u.ac.jp
 ->連絡先一覧(学内)



病原微生物の統御

監視

 以下の方法で、施設内動物の病原微生物への感染を監視しています。
  1. モニター動物の検査(マウスの場合)
  2. 入荷・搬出動物の検収・検疫
  3. 大型動物の飼育管理時の臨床症状の観察
  4. 飼育管理時の施設スタッフによる観察
  5. 動物施設へ持ち込まれる細胞や生物製剤の検疫

主な検査項目

  マウス ラット イヌ サル 細胞 検査方法(検査部位) 検査頻度
Mycoplasma pulmonis
(肺マイコプラズマ)
ELISA・IFA(血清)・培養(気管・咽喉頭) 6回/年
Bordetella bronchiseptica
(気管支敗血症菌)
培養(気管・咽喉頭)  3回/年
Brucella canis
(イヌブルセラ)
培養(血液) 入荷時のみ
Citrobacter rodentium
(腸粘膜肥厚症菌) 
培養(盲腸内容) 3回/年
Clostridium piliforme
(ティザー菌)
ELISA・IFA(血清) 6回/年
Corynebacterium kutscheri
(ネズミコリネ菌) 
培養(気管・咽喉頭、盲腸内容) 3回/年
Filobacterium rodentium
(カーバチルス)
ELISA・IFA(血清) 1回/年
Helicobacter hepaticus
(ヘリコバクターヘパティカス)
PCR(糞便) 3回/年
Pasteurella pneumotropica
(肺パスツレラ) 
培養(気管・咽喉頭、膣スワブ) 3回/年(免疫不全マウスのみ対象)
Pseudomonas aeruginosa
(緑膿菌) 
培養(盲腸内容) 3回/年(免疫不全マウスのみ対象)
Salmonella spp.
(サルモネラ)
培養(盲腸内容、糞便(サル)) 3回/年(サルは必要時のみ)
Staphylococcus aureus
(黄色ブドウ球菌)
培養(盲腸内容) 3回/年(免疫不全マウスのみ対象)
Streptococcus pneumoniae
(肺炎球菌)
培養(気管・咽喉頭) 3回/年
B virus
(Bウイルス)
ELISA(血清) 入荷時のみ外注
Ectromelia virus
(エクトロメリアウイルス)
ELISA・IFA(血清) 3回/年
Lymphocytic chorimeningitis virus
(リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス)
IFA(血清) 1回/年
Mouse adenovirus
(マウスアデノウイルス)
ELISA・IFA(血清) 3回/年
Mouse hepatitis virus・SDAV
(マウス肝炎ウイルス・唾液腺涙腺炎ウイルス)
ELISA・IFA(血清)、PCR(糞便、細胞) 6回/年
Sendai virus
(センダイウイルス)
ELISA・IFA(血清) 6回/年
Aspiculuris tetraptera
(ネズミ大腸蟯虫)
鏡検(結腸内容) 6回/年
Syphacia spp.
(ネズミ盲腸蟯虫)
鏡検(肛門周囲) 6回/年
Giardia muris
(ジアルジア)
鏡検(十二指腸内容) 6回/年
Spironucleus muris
(スピロヌクレウス)
鏡検(十二指腸内容) 6回/年
Ectoparasite
(外部寄生虫)
鏡検(被毛) 6回/年
寄生虫卵 浮遊法・鏡検(糞便) 必要時
犬糸状虫のミクロフィラリア 鏡検(血液) 入荷時のみ
皮膚糸状菌 培養(被毛) 必要時
ELISA (enzyme-linked immunosorbent assay):酵素抗体法
IFA (Indirect fluorescent antibody method):間接蛍光抗体法


担当

 病原微生物の検査は、実験動物分野が担当しています。
 実験中の動物の健康検査やマウス以外の動物の健康検査、マウス等の定期的検査結果の開示などについてのご質問は、以下までご連絡ください。

 担当:中村
 nanakamukumamoto-u.ac.jp
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