マウスの健康管理


動物施設では、全マウス室で飼育管理されているモニターマウスを通じて全マウスの健康状態をモニターしています。


モニターマウスの飼育と検査

以下の方法でモニターマウスを飼育し検査する事で、飼育室内の全マウスの健康状態をモニターしています。
  1. 飼育室内の空気の流れを制御し、他ケージの後にモニターケージを空気が通るように設計する。
  2. 飼育管理のためのケージ交換のとき、マウス室の飼育用ケージから少量の糞便をモニターマウスのケージに加える。
  3. 10週間以上飼育されたモニターマウスを検査する。














マウスの検査項目


 モニターマウスの定期検査により監視している病原微生物は、以下の通りです。 (2023/7/25)
 *ラットも同様の方法で監視されています
検査項目 検査方法
マウス
ラット
Ectromelia virus
(エクトロメリアウイルス)
ELISA・IFA
Lymphocytic Choriomeningitis Virus
(リンパ球性脈絡髄膜炎ウイルス)
ELISA・IFA
Mouse adenovirus
(マウスアデノウイルス)
ELISA・IFA
Mouse hepatitis virus
(マウス肝炎ウイルス)
ELISA・IFA
Sendai virus
(センダイウイルス)
ELISA・IFA
Sialodacryoadenitis virus
 (唾液腺涙腺炎ウイルス)
ELISA・IFA
CAR  bacillus
(カーバチルス)
ELISA・IFA
Citrobacter rodentium
(腸粘膜肥厚症菌)
培養;DHL寒天培地
(盲腸内容)
Clostridium piliforme
(ティザー菌) 
ELISA・IFA
Corynebacterium kutscheri
(ネズミコリネ菌)
培養;FNC培地
(気管・咽喉頭、盲腸内容)
Helicobacter hepaticus
(ヘリコバクターヘパティカス)
PCR(糞便)
Mycoplasma pulmonis
(肺マイコプラズマ)
ELISA・IFA・
培養;PPLO broth
(気管・咽喉頭)
Salmonella typhimurium
(ネズミチフス菌)
培養;DHL寒天培地
(盲腸内容)
★Pseudomonas aeruginosa
(緑膿菌)
培養;NAC寒天培地
(盲腸内容)
★Pasteurella pneumotropica
(肺パスツレラ)
培養;血液寒天培地
(気管・咽喉頭)
★Staphylococcus aureus
(黄色ブドウ球菌)
培養;卵黄加マンニット
食塩培地(盲腸内容)
Aspiculuris tetraptera
(ネズミ大腸蟯虫)
肉眼による成虫観察
(結腸起始部内容)
Syphacia obvelata
(ネズミ盲腸蟯虫)
鏡検;セロハンテープ法
による虫卵観察(肛門周囲)
Syphacia muris
(ラット蟯虫)
鏡検;セロハンテープ法
による虫卵観察(肛門周囲)
Giardia muris
(ジアルジア)
鏡検;直接塗抹標本
(十二指腸内容)
Spironucleus muris
(スピロヌクレウス)
鏡検;直接塗抹標本
(十二指腸内容)
Ectoparasite
(外部寄生虫)
鏡検;セロハンテープ法
による成虫、虫卵の観察(被毛)
ELISA:enzyme-linked immunosorbent assay、IFA:Indirect fluorescent antibody method、
★:免疫不全動物のみ


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