平成28年(2016年)熊本地震への対応等の報告会


演題: 平成28年(2016年)熊本地震 -熊本大学 熊本大学生命資源研究・支援センター 動物資源開発研究施設新館の被害状況と対応- 報告会
演者:中潟 直己
日時:5月17日(火) 13:30~14:30
場所:東京工業大学キャンパス・イノベーションセンター 国際会議室(1階)
内容:

 平成28年4月14日(木)21時26分、震度7の強い地震が熊本県を襲った。翌日、施設の片付けと被害状況の調査を実施、余震に備えた対策を行った。通常、本震より大きい余震は起こらない。誰もがそう思った。ところが、4月16日(土)1時25分、再び震度7の激震が襲った。当初、気象庁は4月14日に起こった地震を本震としていたが、これを前震、4月16日の地震を本震と訂正した。私たちからすれば、どちらも本震である(4月14日:日奈久活断層地帯、4月16日:布田川活断層帯)。

 震度7の地震が2回連続で起こった例は、日本の観測史上例が無く、当施設でも建物や高額精密機器などに極めて甚大な被害をもたらしたが、関係者の必死の努力によって、動物施設の飼育環境は正常に維持、マウス飼育エリアが高層階(7~10階)であったにもかかわらず、死亡した動物もほとんど無く、最悪の事態を免れることができた。
 また、CARDマウスバンクに保管されている凍結胚・精子への影響も皆無であった。災害直後から復旧まで比較的気候が安定していたこと(飼育環境と変わらなかった)、設備の破損状況(主要設備が破損しなかった)、本館・新館と2つの施設があったこと、前震、本震直後のスタッフの適切な対応や気転等々、様々な幸運が味方したことも、大惨事を回避できた要因の一つであった。

 本報告会では、熊本地震における熊本大学生命資源研究・支援センター動物資源開発研究施設新館の被害状況および発生から復旧までの対応・経緯について紹介したい。








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