胚の凍結
材料
- 1M DMSO
- DAP213
- ディッシュ(コーニング 35mm X 10mm Cat.No.430588)
- ディスポーザブル・フィルターユニット(ミリポア ポアサイズ:0.22µm Cat.No.SLGVJ13SL)
- 2.5mLシリンジ(テルモ Cat. No.SS-02SZ)
- イエローチップ(ビーエム機器 Cat.No.110-96R)
- ゲルローディングチップ(ビーエム機器 Cat.No.010-R204S)
- キャピラリー
- オートピペッター(GILSON PIPETMAN P-20 P-100)
- 胚凍結用チューブ(SUMILON 1.2mLセラムチューブ インナーキャップ Cat.No.MS-4501W)
- クライオカラーコード(NUNC クライオカラーコードミックス Cat.No.375930)
- ケーン(マイサイエンス アンプルケーン Cat.No.C-7)
- ケーン用スリーブ(NUNC Cat.No.5016-0001)
- ラブトップクーラー(ナルゲン Cat.No.5116-0012)
方法
ラブトップクーラーの準備
1 ラブトップクーラーを、胚凍結の前日から冷凍庫(-20°C)で冷却し、使用前に冷凍庫から取り出す。2 取り出して10分経過したら、必要な数*の胚凍結用チューブを、ラブトップクーラーに立てる。
*通常、胚凍結用チューブ1本に、約40個の胚を入れて凍結保存する(例えば、胚が120個の場合は、胚凍結用チューブ3本を使用する)。
なお、ラブトップクーラーは、冷凍庫から取り出してから約1時間、0°C付近の温度域を保っている。従って、その時間内に胚の凍結保存を終了するようにする。
胚の凍結保存
1 室温にて1M DMSO>のドロップ(約100µL)を作製する。1M DMSOは、ディスポーザブル・フィルターユニットを用いて使用直前に濾過する。ドロップの数は凍結するチューブの本数プラス1とする(例えば、凍結するチューブが3本であれば、4個のドロップを作製する)。2 凍結する胚を1つの1M DMSOのドロップに静かに移す。胚がディッシュの底に沈んだら、残りの1M DMSOのドロップに胚を均等に分けて移す(例えば、120個の胚をチューブ3本に分けて凍結する場合は、1つのドロップに120個の胚を入れ、続いて、3等分したそれぞれの胚(40個)を残りの各ドロップへ移す)。
3 オートピペッター(P-20)を用いて、5µLの1M DMSO溶液とともに胚を凍結用チューブの底に入れ、0°Cのラブトップクーラーに移す。
ポイント:ディッシュを前後左右に軽く揺することで、胚をドロップの中央に集めてから、胚にチップの先端を近づけ、オートピペッターでいっきに吸引する。また、チューブに胚を移した後、チップを1M DMSOのドロップ内でピペッティングして、チップ内に胚が残っていないことを確認する。
4 5分後、オートピペッター(P-100)を用いて、あらかじめ0°Cに冷却しておいた保存液(DAP213)45µLを、管壁を伝わらせてチューブ内に静かに添加する。
添加したら、チューブのフタを閉める。
5 更に5分後、液体窒素内で冷却しておいたケーンにチューブを装着し、直ちに液体窒素中に浸漬する。
* フタは、融解時、直ちに開けなければならないため、ゆるめにしておく。
** 4および5の操作において、0°Cであれば1M DMSOおよびDAP213での平衡時間が多少延長しても(20分以内)、胚の生存性には影響を及ぼさないので、一度に10本程度のチューブの凍結が可能である。
[胚の凍結保存]