資源開発分野

マウスバンク

生殖工学技術研修会

IRDA

熊本大学

冷蔵輸送された2細胞期胚の回収



材料

  1. 偽妊娠雌マウス
  2. ディッシュ(コーニング 35mm X 10mm Cat.No.430588)
  3. オートピペッター(GILSON PIPETMAN P-200)
  4. ゲルローディングチップ(ビーエム機器 Cat.No.010-R204S)
  5. キャピラリー
  6. 胚培養液(KSOM/AA、mWMなど)
  7. 流動パラフィン(ナカライテスク Cat.No.26137-85)
 

方法

冷蔵輸送された2細胞期胚の回収

1 発泡スチロール箱から魔法瓶を取り出し、さらに紙箱を取り出す。紙箱を室温で30分間静置する。
その間に、胚はチューブの底に完全に沈む。
[紙箱を取り出して静置するまで]


2 30分経過したら、紙箱のフタをあけて静かに綿を取り出し、0.5mLチューブを取り出す。


3 取り出したチューブのフタを開け、ゲルローディングチップを用いてチューブ上層部の培養液(M2)を200µL吸引し、ディッシュの端に移す。


4 ゲルローディングチップの先端をチューブの底まで差し込み、すべてのM2をゆっくりと吸引して、ディッシュの中央に移す。
*ディッシュにM2を出したとき、気泡がM2表面に浮いていると、胚が観察しにくくなるので、チップ内に気泡を吸い込まないように注意する。


5 ディッシュ上に取り出したM2から胚を回収する。
 *保存した胚数を回収できない場合は、3で吸引した200µLのM2でチューブ内を共洗いする。
6 回収した胚を、流動パラフィンで被覆したKSOM/AAなどの培養液のドロップ(100µL)で3回洗浄後、偽妊娠第一日目(膣栓確認日)のレシピエントの卵管に移植する。

*胚の回収は、胚移植直前に行う。冷蔵胚到着日に胚移植を行わない場合は、発泡スチロール箱ごと、4~8°Cの冷蔵庫で保管する(冷蔵庫の温度が4~8°Cであることを、必ず、チェックしておく)。
**胚は、発送日を含めて最大4日間保存(72時間)可能であるが、到着日当日に移植するのが望ましい。



7 輸送に使われた器材(発泡スチロール箱・魔法瓶・保冷剤・紙箱・ボタン型温度記録計)は、CARDにご返送下さい。