ドライシッパーへの液体窒素の充填法および凍結サンプルの輸送
原理
ドライシッパーは内部に特殊なスポンジが入っており、そこに液体窒素を吸着させることができる。スポンジに液体窒素を吸着させることで以下のことが可能になる。
- 液体窒素がドライシッパーから外へ流れ出ない
- サンプルを低温(-150℃以下)に保つことができる
ドライシッパーを利用するには以下の点に気をつける。
- 内部のスポンジに液体窒素を十分に吸着させる
- 吸着されなかった液体窒素を出してからサンプルを入れる
液体窒素を充填する前と後のドライシッパーの様子(Youtube)
材料
- ドライシッパー
- 液体窒素
- ドライシッパー専用輸送容器
方法
1 ドライシッパー内部のサンプル保持空間に液体窒素を流し入れて蓋を閉じ、1時間ほど待つ。
2 内部のスポンジに液体窒素が吸着することで液体窒素の液面が下がるので、再び液体窒素を流し入れて蓋をし1時間ほど待つ。
3 補充した液体窒素の液面が下がらなくなるまで、液体窒素の追加と待機を繰り返す。3回ほどで液体窒素の液面が下がらなくなる。
4 ドライシッパーを横にして、サンプル保持空間に残った液体窒素をすべて液体窒素保管器などへ回収する。
5 別容器などに保管されているサンプルをドライシッパー内に移し、ドライシッパーを専用の輸送箱に入れる。
6 輸送業者に依頼する。
*ドライシッパーの各商品ごとに異なるが、通常では約3週間 低温を保つことができる。
**ドライシッパーの各商品ごとに異なるが、上記方法に沿った液体窒素の充填操作の前後では約3kgの重量差がある。それを計測すれば、より確実に充分量の液体窒素が容器内に吸着できたことが確認できる。
参考文献
日本語版資料株式会社astec 資料
ドライシッパー転倒の試行動画1(方法4.での液体窒素除去を実施し転倒しても安全)
ドライシッパー転倒の試行動画2(方法4.での液体窒素除去をせず転倒すると危険)
英語版資料
Worthington Industries 資料動画
更新履歴
- 新規: 2020.07.07
- 更新: 2021.11.02 英語版資料リンク修正
- 更新: 2021.12.28 ドライシッパー転倒の試行動画リンクを追加