資源開発分野

マウスバンク

生殖工学技術研修会

IRDA

熊本大学

2細胞期胚の冷蔵保存・輸送



材料

  1. 2細胞期胚(新鮮あるいは凍結融解胚)
  2. ディッシュ(コーニング 35mm X 10mm Cat.No.430588)
  3. オートピペッター(GILSON PIPETMAN P-200)
  4. M2 Medium (Sigma Cat.No.M7167)
  5. 0.5 mL チューブ(Fisherbrand Flip Cap Microtubes 0.5 mL, Fisher Scientific Cat.No. FS-MCT-060-C)
  6. キャピラリー
  7. KSOM/AA
  8. 流動パラフィン(ナカライテスク Cat.No.26137-85)
  9. ボタン型温度記録計(KNラボラトリーズ 温度データロガー サーモクロンGタイプ)
  10. CARD冷蔵輸送キット
    • 紙箱(フリーエス Cat.No. 11-1585)
    • 綿
    • 魔法瓶(サーモス株式会社 Cat.No.JMK-501)
    • 保冷剤(小)(株式会社キョウリツ 保冷剤樹氷 Cat.No. H-120)
    • 保冷剤(大)(シロ産業 スノーパックR 500g 140 mm×250 mm、Cat.No. M250R-50)
    • 発泡スチロール箱(KARUX KC-3)


方法

2細胞期胚の冷蔵保存

1 オートピペッター(P-200)を用いて100µLのM2のドロップを、ディッシュ上に2個作製する(流動パラフィンで被覆しない)。
2 冷蔵保存する胚を、流動パラフィンで被覆した培養液のドロップからM2のドロップの1つに移す。


3 新しいキャピラリーに交換し、1で作製したもう一方のM2のドロップに胚を移す。
*流動パラフィンで被覆された培養液のドロップから1で作製したM2ドロップに胚を移したときに、ドロップ表面に流動パラフィンが付着するので、その部分を避けて操作を行う。





4 0.5mLチューブに、0.6mLのM2を入れる。
*チューブの先端に泡が残った場合は、タッピングして泡を除いておく。



5 3のドロップから胚を取り出し、0.6mLのM2で満たした0.5mLチューブの底に胚を移す(2細胞期胚:40個/チューブ)。
*胚を移した後、3のドロップ内でピペッティングし、キャピラリー内に胚が残っていないか確認する。


6 チューブのフタを閉じ、パラフィルムを巻く。
7 紙箱にチューブ、ボタン型温度記録計および綿を入れ、フタをする。
 *M2、紙箱、チューブ、ボタン型温度記録計および綿は、すべて室温(20~25°C)にて用いる。


8 紙箱を冷蔵庫で保存する(最大72時間保存可能)。





2細胞期胚の冷蔵輸送

冷蔵保存と同様の手順で紙箱にチューブを入れた後(2細胞期胚の冷蔵保存の1~7を参照)、以下の操作により、紙箱の梱包を行う。
*梱包に用いる魔法瓶と保冷剤(小)は室温、発泡スチロール箱と保冷剤(大)はあらかじめ保冷したもの(4~8°C)を用い、梱包作業は手早く行う。

1 魔法瓶に紙箱を入れる。



2 魔法瓶に保冷剤(小)を2個入れる。



3 魔法瓶のキャップを締める。


4 キャップをしっかり締めたことを確認後、発泡スチロール箱の中に保冷剤(大)を敷き、魔法瓶を入れる(このとき、魔法瓶の中の胚を入れたチューブが、逆さまにならないように気をつける)。
続いて、両サイドおよび上部に保冷剤(大)を入れ、発泡スチロール箱のフタをガムテープでしっかりと固定する。



5 宅配便で発送するまで、発泡スチロール箱ごと冷蔵庫内(4~8°C)で保存する。
6 宅配便(冷蔵)で発送する(最大72時間保存可能)。
*冬季は外気温が0°C以下になるため、輸送中に発泡スチロール箱を長時間外気中に放置しておくと胚が死滅してしまう。受け取り側は、あらかじ め、最寄りの宅配便の担当集配所に連絡して、「生きた細胞が入っているため、発泡スチロール箱を外気には極力曝さないようにして下さい」と連絡しておく。



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