チューブを用いた精子の凍結と融解
本ページで解説されている精子凍結法はストローを用いて開発されたものであるが、チューブによる精子の凍結も可能である。
材料
- 雄マウス(12週齢以上)
- 過排卵処理した雌マウス
- ノエス剪刀(森田製作所 TEL 03-3811-9730 特注品)
- FERTIUP®-精子凍結保存液(九動株式会社 fertiup(at)kyudo.co.jp)
- FERTIUP®-精子前培養培地(九動株式会社 fertiup(at)kyudo.co.jp)
- CARD MEDIUM(九動株式会社 fertiup(at)kyudo.co.jp)
- ディッシュ(コーニング 35mm X 10mm Cat.No.430588)
- イエローチップ(ビーエム機器 Cat.No.110-96R)
- オートピペッター(GILSON PIPETMAN P-10 P-100)
- 凍結保存用チューブ(SUMILON 1.2mLセラムチューブ インナーキャップ Cat.No.MS-4501W)
- ケーン(マイサイエンス アンプルケーン Cat.No.C-7)
- ケーン用スリーブ(NUNC Cat.No.5016-0001)
- 発泡スチロール箱
- 発泡スチロール片(厚さ1.5cm)
- 液体窒素
- 液体窒素保管器
- 恒温水槽(37℃)
- CO2インキュベーター(37°C 5% CO2 95% air)
方法
精子懸濁液の作製
1 ストローを用いた精子凍結の方法と同様に精子懸濁液の作製を行う。精子の凍結
1 35μLの精子懸濁液を凍結保存用チューブに入れ、ケーンに装着する。2 発泡スチロール箱に液体窒素を入れ、発泡スチロール片( 厚さ1.5cm )を浮かべてケーンをのせる。
*凍結保存用チューブを、液体窒素の液面から 1.5cm 離れた状態で冷却する。
3 発泡スチロール箱のフタを閉めて、10分間静置する。
4 ケーンを発泡スチロール箱から取り出し、素早く液体窒素保管器に入れる。
[液体窒素保管器へのケーンの移動]
精子融解の前の準備
1 ストローを用いた凍結精子の融解方法と同様に未受精卵子を採取し、30~60分間培養しておく。2 精子を融解する30分前に、精子前培養用ディッシュ(90µLのFERTIUP®-精子前培養培地ドロップ1個)を作製し、インキュベーター内に静置しておく。
精子の融解
1 液体窒素保管器からチューブを取り出し、フタを開けてチューブ内の液体窒素を捨てる。2 チューブのフタを閉め、10分間37℃の温水中に静置し加温する。
3 10分後、10μLの精子懸濁液を精子前培養用ディッシュのドロップに導入する。
*1本のチューブから精子前培養用ディッシュ3枚に精子懸濁液を導入する事が可能。
4 3の精子前培養用ディッシュをインキュベーターに入れ、30分間前培養を行う。
5 ストローを用いた凍結精子の融解方法と同様に媒精を行う。
更新履歴
- 新規:2015.09.03